文化共有研究

クローン文化財を用いた新たな文化継承手法の確立

最先端のデジタル技術に芸術家の経験値から得た感性や手技などのアナログ的な保存修復技術を混在させて制作することで、素材の質感や年月を重ねた古色までも正確で短時間に表現するクローン文化財を開発しました。現存する文化財を再現するクローン文化財では場所の概念を超えた文化継承が可能となりました。消失・劣化・欠損した文化財を一部想定含めて再現するスーパークローン文化財では時間の概念も、制作当時に表現したかった本質を当時の技術・材料制約から解放し現代科学技術下で再現するハイパー文化財では環境の概念も超えた新たな文化継承が可能になりました。この成果をもって今後は、継承すべき日本古来の思想や文化を次世代へ継承し国民教育の底上げをするとともに、海外からの観光収入を増大する日本の文化立国へ貢献します。また、海外の文化財、特に流出文化財のクローン文化財を用いて、国際社会における相互の文化理解を推進し、かつ民族としてのアイデンティティ維持に貢献し、平和な国際社会の構築に貢献します。

研究プロデューサー
宮廻 正明(東京藝術大学 特任教授)

Webサイト

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    展覧会「みろく-終わりの彼方 弥勒の世界-」

    文化共有研究|2021

    スーパークローン文化財で復元したバーミヤンE窟仏龕天井壁画の《青の弥勒》を中心に、ガンダーラとアフガニスタンの弥勒菩薩像を展示し、弥勒の道を辿る展覧会。他にも敦煌莫高窟275窟交脚弥勒菩薩像、バーミヤン東大仏天井壁画《天翔ける太陽神》、法隆寺金堂9号壁のスーパークローン文化財も展示しました。
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    スーパークローン文化財 〜失われた文化を蘇らせる

    文化共有研究|2020

    東京美術学校から繋がる文化財保護の精神を継承し、古くより伝承されてきた伝統的な模写の技術と、現代のデジタル撮影技術や2D・3Dの印刷技術を融合させた「スーパークローン文化財」を開発。
    オリジナルの文化財と同素材、同質感を目指し、表面の凹凸や筆のタッチまでを忠実に再現するスーパークローン文化財により、流出や消失した世界中の文化財を再現・復元することが可能となります。
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    法隆寺釈迦三尊像再現工程

    文化共有研究|2020

    2014年、法隆寺釈迦三尊像の三次元的再現プロジェクトがスタートしました。門外不出の国宝・釈迦三尊像を同素材、同質感にて複製・再現し、世界中で本像(お身代わり)を公開することが可能となり、法隆寺ならびに日本の芸術文化の国際的発信とともに、世界文化の多様性の維持と発展に寄与するプロジェクトです。さらに富山県高岡市、同県南砺市と連携し、最先端のデジタル技術と造形技術に加え、400年を超える伝統的な鋳物技術と600年を超える彫刻技術をハイブリッドに駆使した再現に取り組みました。
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    敦煌莫高窟第57窟再現工程

    文化共有研究|2020

    敦煌莫高窟第57窟の再現に挑んだ記録です。洞窟の形状から複雑で微妙な壁面の凹凸まで記録された3Dおよび高精細撮影のデータから三次元形状を作り上げ、難燃性の高密度発泡体を使用して分割可能な構造で組み上げました。
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    バーミヤン15年目の春

    文化共有研究|2020

    バーミヤン峡谷には800を超える石窟が掘られ、艶やかな壁画が描かれており、中でも「東西文明融合の象徴」とまでいわれていたのが、東大仏の天井を飾っている《天翔る太陽神》です。2001年3月、バーミヤンの東西二つの大仏が爆破され、この巨大壁画も大仏とともに失われてしまいました。それから15年後、東京藝術大学COI拠点は、壁画の復元に挑みました。
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    ワークショップ《金魚の気持ち》

    文化共有研究|2019

    クローン文化財を活用した、文化財や美術品の新しい体験型ワークショップ。浮世絵の中に入り込み、金魚の気持ちになります。
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    ワークショップ《自分だけのクレヨンをつくろう!》

    文化共有研究|2019

    クローン文化財を活用した、文化財や美術品の新しい体験型ワークショップ。子どもたちが選んだ色から、世界にひとつだけの、自分だけのクレヨンをつくります。
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イベント

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    東京藝術大学スーパークローン文化財展 アジアの美にふれる-法隆寺・高句麗・敦煌-

    文化共有研究|2021

    福岡県大野城市大野城心のふるさと館にて、「法隆寺金堂壁画」、「高句麗古墳群江西大墓」・「敦煌莫高窟第57窟」などを展示。
    展示室内では、音や香りも用いて、現地を訪れたような臨場感たっぷりの不思議な体験を提供しました。
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    「長野県立美術館完成記念 
    未来につなぐ〜新美術館でよみがえる世界の至宝 東京藝術大学スーパークローン文化財展」

    文化共有研究|2021

    善光寺に隣接し長野の美しい景色に調和する美術館をリニューアルした長野県立美術館の新美術館完成記念として、創建当時の姿を再現した金色に輝く法隆寺釈迦三尊像を初公開しました。
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    東京藝術大学スーパークローン文化財展 『素心伝心』

    文化共有研究|2021

    愛媛県新居浜市美術館 あかがねミュージアムにて「東京藝術大学スーパークローン文化財展」を開催しました。
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    謎解き『ゴッホと文化財』展 つくる文化∞つなぐ文化

    文化共有研究|2021

    横浜そごう美術館で開催される「東京藝術大学スーパークローン文化財展」の第2弾として、2021年は「文化財を知る・楽しむ」をテーマに、ゴッホやオルセー美術館の油彩画、ボストン美術館の浮世絵などのクローン文化財を展示しました。
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    スーパークローン文化財展

    文化共有研究|2020

    北九州市 旧大連航路上屋にて、空間を自在に活用した「スーパークローン文化財展」を開催しました。
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    東京藝術大学スーパークローン文化財展「最先端技術でよみがえるシルクロード-法隆寺・敦煌莫高窟・バーミヤン-」

    文化共有研究|2019

    東北歴史博物館にて、法隆寺の金堂壁画や釈迦三尊像からなる金堂空間の再現,敦煌の莫高窟の再現,破壊されたバーミヤン東大仏天井壁画の復元といったかたちで古代シルクロードの遺産を中心に集めて公開しました。
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    スーパークローン文化財ってなに?

    文化共有研究|2019

    オリジナルの綿密な調査から絵具や基底材などの成分・表面の凹凸・筆のタッチまで忠実に再現し、高精度かつ同素材・同質感を目指す「スーパークローン文化財」とは何かを紹介しました。
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    「バベルの塔」オマージュ企画展
    於 ボイマンス美術館(オランダ・ロッテルダム)

    文化共有研究|2018

    「バベルの塔」展の大成功と、オリジナル絵画の帰還を記念して、ボイマンス美術館(オランダ・ロッテルダム)で2018年2-5月に日本展のオマージュ企画展「BABEL Old Masters Back From JAPAN」が開催されました。
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    「Study of BABEL」展

    文化共有研究|2017

    ピーター・ブリューゲル1世「バベルの塔」の110%高精細複製絵画とともに、高さ340cm立体版「バベルの塔」や、夜の「バベルの塔」をイメージした映像投影など、これまでにない斬新な企画展示を実施。NICAS(オランダ芸術科学保存協会)構成員のボイマンス美術館、デルフト工科大学と藝大COIとのコラボレーション企画として実現。入場者数は4万人に至りました。
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    ミャンマー国立博物館のパブリックコレクションとして公開展示

    文化共有研究|2017

    ミャンマー・バガン遺跡の”クローン文化財”(複製壁画)が、2015年に首都ネピドーに建設されたミャンマー国立博物館のパブリックコレクションとして公開展示しました。
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    移動型美術展示&ギャラリートーク

    文化共有研究|2017

    ベネッセスタイルケアの運営する高齢者ホーム・アリア松濤において、「高齢者の住まいと藝術」と題し、移動型美術展示とギャラリートークを実施しました。
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    シルクロード特別企画展 「素心伝心」クローン文化財 失われた刻の再生

    文化共有研究|2017

    古代シルクロードの各地で花開いた文化を代表する遺産をクローン文化財として再現し展示しました。
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    法隆寺 再現 釈迦三尊像展-飛鳥が告げる未来-

    文化共有研究|2016

    国宝法隆寺釈迦三尊像を計測・解析したデータをもとに、3Dプリンターによる原型を作成。その原型を用いて、伝統工芸高岡銅器振興協同組合、井波彫刻協同組合の職人が、鋳物や彫刻の伝統技術により現代への再現に挑戦した展示会です。
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    G7サミットでクローン文化財が展示

    文化共有研究|2016

    G7伊勢志摩サミットのサイドイベント’Terrorism and Cultural Property’会場で高精細複製壁画「クローン文化財」2点が展示され、参加国首脳らを前に宮廻研究リーダーが開設しました。
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    レンブラント リ・クリエイト展

    文化共有研究|2016

    横浜そごう美術館での『レンブラント リ・クリエイト展』にて、「〝さわれる″3D高精細複製『クローン文化財』」を特別展示しました。
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    ハイカラ- 覚醒するジャポニズム- ボストン美術館スポルディング・コレクション

    文化共有研究|2015

    ボストン美術館が所蔵する浮世絵コレクションを500%に拡大して展示しました。
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    アフガニスタン特別企画展 バーミヤン大仏天井壁画~流出文化財とともに~

    文化共有研究|2015

    内戦の混乱下で剥奪・海外へ流出後日本に辿り着いたアフガニスタン文化財から「東大仏天井壁画」復元作品などを展示しました。
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  • イベント

    別品の祈り-法隆寺金堂壁画-

    文化共有研究|2014

    法隆寺旧金堂壁画を全面原寸大復元した作品を東京藝術大学大学美術館で展示しました。
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知的財産権

  • 知的財産権

    特許6532969「表現装置及び表現方法」

    文化共有研究|2019

  • 知的財産権

    商標6347743「ハイパー⽂化財」

    文化共有研究|2021

  • 知的財産権

    商標5896877「クローン文化財」

    文化共有研究|2016

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受賞

  • 受賞

    「2019年度デジタルアーカイブ産業賞」を受賞

    文化共有研究|2021

    東京藝術大学発ベンチャー、株式会社 I K I が「DAPCON 2019年度デジタルアーカイブ産業賞」の「貢献賞」を受賞しました。
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  • 受賞

    宮廻正明特任教授が平成30年度科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞

    文化共有研究|2018

    東京藝術大学が有する文化財複製特許技術により制作される「クローン文化財」の技術が認められ、宮廻正明特任教授が平成30年度科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞しました。
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    全国発明表彰「21世紀発明奨励賞」を受賞

    文化共有研究|2017

    高精細複製「クローン文化財」の基盤技術となる特許が、平成29年度 全国発明表彰「21世紀発明奨励賞」を受賞しました。
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その他

  • その他

    ドイツの国際ニュースネットワークDW(ドイチェ ヴェレ)の
    「Tomorrow Today-The Science Magazine」にて紹介

    文化共有研究|2021

    スーパークローン文化財のプロジェクトがドイツの国際ニュースネットワークDW(ドイチェ ヴェレ)の取材を受け、 「Tomorrow Today-The Science Magazine」にて公開中。消失や欠損、流出など、文化財が抱える問題の解決策として、スーパークローン文化財の可能性が紹介されています。
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