2019.1.13
1月13日、ロサンゼルスのAratani Theatreで、東京藝大 澤和樹学長率いる藝大音楽学部学生チーム、映像研究科アニメーション専攻学生、COI共感覚メディア研究グループら、総勢27名の藝大関係者と南カリフォルニア大学(USC)の協働で、ヴィヴァルディ「四季」ライブアニメーションコンサートを実施しました。今回の公演は、東京藝大、USC、及び外務省設置の対外発信拠点「ジャパン・ハウス ロサンゼルス」の共催により開催されました。
コンサートでは世界初の試みとして、東京藝大COI共感覚メディア研究グループとヤマハ株式会社が共同開発した「AI映像同期上映システム」が用いられました。このシステムは、ライブ演奏中の音色から、現在楽曲のどの部分を演奏しているかをAI(人工知能)が判断し、その情報をもとにライブ演奏と同期した形で映像(アニメーション)を再生することができるというものです(特許出願中)。本システムはこれまでに「JSTフェア2018」などの会場で検証を重ね、今回の全米プレミア公演が世界展開の第一歩となりました。
当日は約900席の会場が文字通り満席の大盛況、終了後は大きな拍手に包まれ、人に寄り添うAIテクノロジーを活用したライブアニメーションコンサートへの高い関心と称賛が示されました。
1月13日のコンサートの成功を祝い、翌14日には藝大関係者らが在ロサンゼルス日本国総領事公邸に招かれ、関係各方面から祝辞を受けました。続く15日には、ハリウッドの「ジャパン・ハウス ロサンゼルス」で日米学生アニメーション上映会が行われ、この場でもCOIの開発技術を遺憾なく発揮しました。
今回の全米プレミアコンサートは即日NHK総合ニュースで放映され、また国際メディアでも大きく採り上げられました。今回の上演が、歴史ある名門大学USCとともに映画・映像の聖地ロサンゼルス・ハリウッドで大成功を収めたことは、とても意義深いものがあります。今後はクラシックコンサートを中心に音楽とアニメーションの接点を広げ、国境を越えた新たな芸術の創造と開発技術の社会実装が期待されます。