2021.10.27
JST主宰「STI for SDGsアワード2021」にエントリーした「だれでもピアノⓇ」が文部科学大臣賞(最優秀賞)を受賞しました。
このアワードは、科学技術イノベーション(Science, Technology and Innovation: STI)を用いて社会課題を解決する地域における優れた取り組みを表彰することで、その取り組みのさらなる発展や同様の社会課題を抱える地域への水平展開を促し、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)の達成に貢献することを目的として、2019年に創設されました。今年度は40件の応募のうち、文部科学大臣賞1件、科学技術振興機構理事長賞1件、優秀賞4件、次世代賞2件が決定されました。
だれでもピアノ®(特許6744522)は、東京藝術大学COI拠点が2015年にヤマハ株式会社と共同開発した、自動伴奏追従機能のついたピアノです。一本指でメロディーを弾くと、伴奏とペダルが自動で追従して、熟練したピアニストのように華麗な演奏ができます。本ピアノは障がいのある児童・生徒を対象に音楽教育やワークショップで活用している他、高齢者を対象に継続的なピアノレッスンを通したウェルビーイングに関する研究を推進しています。また、ICT技術を用いて低遅延でMIDI情報をオーディオ機器につなぐ技術の応用により、オンラインによる遠隔演奏も実現しました。今後は専用アプリの開発により、活用可能な楽器や機器、ユーザー数、ユーザー層と活用シーンの拡大を目指しています。
・2021年度 「STI for SDGs」アワード 文部科学大臣賞 受賞理由(J S Tより)
本取り組みは、1人の障がい者の「音楽を奏でたい」という想いが起点となっており、芸術・文化を科学技術と組み合わせて SDGs 達成のための手段として活用している独創性の高い活動である。また、実物のピアノを演奏するというハード面での課題を解決するために、オンラインの活用で汎用性の確保も視野に入れるほか、医療機器としての可能性や、体験者が指導者となって社会に貢献する役割を持たせている点が包摂性、展開性においても高く評価された。「誰一人取り残されない未来をつくる」という SDGs の理念に沿った取り組みであり、SDGs 目標 3,4,10 など複数目標の達成につながる活動として、選考委員会において文部科学大臣賞にふさわしいと判断された。
参考:JST「令和3年度「STI for SDGs」アワード受賞取り組みの決定について」
https://www.jst.go.jp/pr/info/info1533/index.html
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