2019.12.1
東京藝術大学は2011年から、芸術を通してすべての人が交流するイベント「藝大アーツ・スペシャル~障がいとアーツ~」を毎年開催してきました。今回はその趣旨を昇華させた新企画として、人間の多様性が生み出す超感覚を「七感」と名づけ、視覚・聴覚・嗅覚・触覚など様々な感覚に働きかける革新的な舞台「七感で楽しむシアター」を2019年12月1日に同学奏楽堂で行いました。
公演は二部構成で、第一部はサン=サーンスによる組曲≪動物の謝肉祭≫を上演。この曲のために作られた谷川俊太郎氏の詩が朗読され、雫境氏のサイン・ダンス(手話による詩の身体表現)や映像が演奏とともに舞台を作り上げました。さらに、これまでに本学COIインクルーシブアーツ研究グループと演奏藝術センターが障がいのある子どもたちと作り上げてきた美術作品やダンスが随所に登場しました。
第二部はダンサー・大前光市氏と作曲家・藤倉大氏による≪Sounding Seven Senses≫。本COI拠点が制作を委嘱した作品の初演です。この曲に合わせて大前氏が義足を生かした舞踏を披露しました。また、あらかじめ客席に配られた腕時計型の機器が音楽に合わせて光るなど、クラシック音楽では異例の演出を取り入れ、舞台と会場の一体感を演出しました。
また今回の会場には、本COI拠点参画企業のヤマハ株式会社から提供された16台のスピーカーを使ったサウンドプロジェクションによって会場を包み込むような音響を実現。「七感で楽しむシアター」は技術やアートが結集する上質な舞台となりました。
≪Sounding Seven Senses≫©平舘平
Copyright © Tokyo university of the Arts All rights reserved.