COIの活動は藝大の知恵や資産を活かしてこれからの社会に何が出来るかを創造的に示したものだった。そしてそこには多くの可能性のある未来が描かれた。藝大においてこのような研究が同時に行われたことは今までになく、研究の多様な可能性が示されたように思う。そしてこれからはこの成果の上に今後の藝大の研究展開を考えていかなければならない。
現代はAIやICTなどの科学技術がVRやARの可能性を見せ始め、新しい広大な世界の扉が開いたところである。そしてこれからはこの技術の中に魂を吹き込むことが求められる。そこには藝大ならではの感性(右脳的思考)が重要になるであろう。数値ではない五感を研ぎ澄ませた上での根源的な思考が人間に求められる社会の到来である。そして藝術によって脳が感ずる喜び、幸福とは何なのかといった研究も進められるだろう。それらにこれからの藝大の研究や産学連携のあり方の重要な鍵があるように思っている。